お勧め書籍集


何度も何度も観てしまうそんな映画がありますよね。私の好きな映画を少しずつ紹介します。映画の好き嫌いは人によってとっても違いますので、あくまでも私が好きなだけです。またTOEICコーナーとも関連を持たせ、英語映画の場合には英語についても多少コメントします。

当HPからも、映画メルマガの発行を始めましたのでご希望の人はこちらから  - なお映画はビデオ・DVDがリリースされた時点が評価タイミングです。ネタバレはありません。発行頻度は随時ですが当HPで紹介するよりも圧倒的に多い量です。

映画の評価アイコンはこんな感じで:

 元気が出るど: --> 元気出る・痛快
 笑ったど: --> 笑える
 メッセージあるど: --> メッセージ性が強い
 ウルウルするど: --> ウルウル、涙出る
 怖いど: --> こわ〜い
 スルメど: --> 観れば観るほど味が出る
 英語分かるど: --> わかりやすい・勉強向き

    

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ヤングガン (1988)
Young Guns
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とにかく、元気が出る映画です。なにかこう、しずんでいても、「よ〜し、やったるでぇ!」という気分にさせてくれます。ビリー・ザ・キッドを題材にした西部劇ですが、この映画は従来の西部劇感という物を大きく変えました。

Emilio Estevezが主演です。実はこの人、マーチン・シーンの長男であのチャーリー・シーンのお兄さんです。映画界に入ったときも、いわゆる親の七光りを嫌い、Sheenという名前を使わなかったと聞きます。いいじゃないですか。演技もいいです。

チャベスというインディアンがでてきます。こういうタイプに私は弱いんですねぇ。またこういうきらりと光る脇役がいると映画が締まるモンです。アンタッチャブルに出たアンディ・ガルシアもそうです。この人、Lou Diamond Phillipsという人です。残念ながら最近余りみることが無くなりましたけど。

1950年代、郊外に呼び出された新聞記者が一人の老人に道路脇で会います。もう90歳を超えようかというよな老人です。ロバを引き、しゃがれた声でしゃべり始めます。この人のしゃべりが映画のナレーションへとなります。腰には旧式の拳銃。この人誰?

英語はスラングもかなりあるため、それほどわかりやすくはありません。ただ、フォーマルな会話がある場面では、少し昔の英語という感じが出ていて楽しめます。
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ヤングガン2 (1990)
Young Guns 2
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1作目の最期でバラバラになったメンバーが再び集結します。ビリーのことを執拗に追い始める保安官パット・ギャレットとの追跡劇をメインのテーマとし、仲間との絆、確執などをうまく描きながらストーリーは展開します。

ビリーの破天荒な性格は、うらやましいようなそうでないような気になりますが、痛快で「元気が出る度」五つ弾であるところは前作に劣りません。基本的なストーリーは史実で語られているビリー・ザ・キッドの生涯をほぼ正確にトレースしながら、これほど内面のspiritを見事に描ききった映画は他にないでしょう。出演者を前作と統一しているところもEmotionalなConnectionを盛り上げます。

また、この映画の大きな魅力の一つは音楽です。全編ジョン・ボン・ジョヴィの音楽です。メインテーマのBlaze of Gloryを始め、全ての音楽がビリーたちのspiritを良く表しています。サウンドトラック盤のCDBlaze Of Glory は元気を出すのに最高です。Blaze of Gloryの静かなイントロからドラムの音が入ってくる辺りで会社に着けば、ちょうど元気100%です。「何でもこい。Why don't you pull the trigger and find out」って気分です。

英語はなぜかこちらの方が前作よりわかりやすく感じます。でも英語学習用というよりも「元気充電用」の映画として観ることをお奨め。
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キリングフィールド (1984)
The Killing Fields
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この映画を1980年代半ばに観た私は、正直愕然としました。こんな事がアジアで、それもほんの10何年まえにおきていたなんて。第二次大戦下のナチスの民族浄化作戦は知っていました。70年代のヴェトナムの惨状も知っていました。でもカンボジアのことはそれほど興味を持っていませんでした。数百万人のカンボジア人が同じカンボジア人に殺戮されていたことを私はうっすらとしか認識していませんでした。

実際にこの経験をしたハイン・ニョルというカンボジア人が主演しています。画面は強烈で息がつけません。ストーリの緊迫感も見事です。引きずり込まれます。後日、ハイン・ニョルのインタビューを観たことがありますが、彼は「実際はこんなもんじゃない、もっとひどいんだ、違うんだ」と、映画作成中に監督とぶつかったことが多かったと語っています。彼はこの経験を経てアメリカでカメラマンをしていましたが、後に殺害されています。

このカンボジアでの取材でピューリッツァ賞を受賞するSchanbergと、現地助手(ハイン・ニョル)との友情を軸にポルポト政権下での惨状を描きます。Christopher Hudsonという人がこの本を書いています。映画よりもさらに踏み込んでカンボジア文化を描いています。興味のある人は一読をお奨めします。

英語は分かりやすい方だと思います。Non nativeのEnglish speakerが沢山出てくるからかもしれません。しかし、なぜこんな映画がアジアからでないのか?なぜ欧米からなのか?とふと思いました。
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ダンス・ウィズ・ウルブス (1990)
Dances with Wolves
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(本日6/3、予約受付中に
なりました)






ご存じケビン・コスナー主演・監督の名作です。よく、特に欧米人はケビンに対して余り言い評価をしない人が多いですが、私は好きです。Bland performanceだといわれているのをたまに目にしますが、個人的にはそれが彼の味の部分という風に感じています。

舞台はアメリカ、南北戦争の頃。北軍兵士のジョン(ケビン)はダコタの僻地の砦にアサインされ一人赴きます。そして現地のスー族と知り合うようになります。今でこそ、自由の国なんていわれているアメリカですが、当時はNative Americanを根こそぎ皆殺しにしていた頃です(アメリカのことですから、うまいことやってその歴史を国際的にも余り責められてませんけどね)。そんな時代ですから、軍隊の兵士がスー族と仲良くなるなんての無かった頃の話です。

広大な西部の原野、白いオオカミとの交流、スー族との素朴で暖かい交流、そしてそこでのStands with a fistという女性との出会い。しかし迫りくる彼らへの危機。穏やかな流れの中にうまく緊迫感もあり、One of my favoritesです。ここでも良い脇役がいます。スー族のWind in His Hair(風になびく髪)、Kicking Bird(蹴る鳥)、Smiles A Lot(笑う顔)たち。純粋で素朴で熱く勇敢な、未開の地の原住民を本当にうまく描いています。

英語はケビン・コスナーということもあってかなりわかりやすい方でしょう。兵隊同士のチャットの部分はかなりわかりにくい部分もありますが、全体的には容易な方です。それよりも、スー族の話す言葉いいですね〜。音の響きが何とも惹かれます。それとスー族に私の名前を付けてもらいたいもんです。
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リバーランズスルーイット (1992)
River runs through it
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ペーパーバックのコーナーでも紹介しました。私の一押しの名作です。もう5回以上見ましたが、何回見ても味のある、いや何回か見てだんだんわかってきたような映画です。あのブラッド・ピットがブレイクするきっかけとなった映画です。明日に向かって撃て(古い!)のロバート・レッドフォード監督です。原作は主人公となるノーマン・マクレーンという人の回想録です。ちなみにフライフィッシングの場面が多く出てきますが、決してつり映画ではありません。モチーフとしているだけです。

舞台はモンタナ。時代は1905年ごろから始まります。日本ではちょうど日露戦争をしていたごろです。協会で厳格な牧師を勤める父。今のアメリカからは考えられないほど1歩も2歩も夫の後を歩く様な母。兄のノーマン。弟のポール。それらの半生を美しいのモンタナの背景をバックに、また父子の愛したフライフィッシングをモチーフとして実に見事に描いてゆきます。

厳格で言葉少ないが子供たちを愛してやまない父。父を立てながらも子供たちを包み込むように愛する母。兄は弟の奔放な性格とその才能に嫉妬を感じながらも彼を愛します。弟は実直で秀才の兄にいらだたしさも、また同時に尊敬も感じながら育ってゆきます。

題もいいですね。最後のシーンで年老いてフライをティペットにつけるのままならない主人公のノーマンが河に立ちロッドを振る場面があります。そのシーンに流れる主人公のナレーションでなんかすべてわかったような気になります。......Eventually all things merge into one and a river runs through it.......

前後のコンテキストから、あたかも太古からの歴史を経てすべてのものはひとつとなり河はその中を流れていく、というような描写ですが、ここは私なり多少修飾をさせていただくと、「家族の中の心配・怒り・悲しみ・喜び、そうしたすべて物は結局最後はひとつになり、モンタナの川はその中をとうとうとながれていく」。そうするとはじめてこの題名を見たときに抱いた、この 'it' はなんなんだろうという疑問にも私なりにも答えが出たような気がします。

蛇足となりますが、見事なキャスティングを披露してくれたポールですが、後姿は実はブラッド・ピットではありません。全米でも屈指のフライキャスターが演じてます。ため息の出るようなキャストです。

英語はすごく分かりやすい、というわけではありませんが学習用にはお奨めの映画です。しっかりとしたしゃべりが多いですからためになります、ということで5つ弾にしました。。ペーパーバックは簡単ではありませんがトライしてみる価値はあるでしょう。
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初恋のきた道(1999)
我的父親母親
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中国語
ご紹介するのが少し気恥ずかしいのですが、好きなのだからしょうがありません。ご存じ中国映画界では、そして今では世界的に有名なチャン・イーモウ監督の作品です。主演はチャン・ツィイー。ストーリーは直球のラブストーリーです。

何の気なしに借りてきて観た映画でした。ところがどっこい、思わずウルウル5つ弾にになってしまいました。もちろんチャン・ツィイーはとても可愛いし、監督のカメラワークも私の好きなタイプです。しかしそれだけでは無かったように思うんです。思わずDVDを購入し5,6回観ました。

とてもBusyで情報過多(そしてその殆どがとてもつまらない情報)な世の中で忙しそうに携帯片手に過ごし、休みになれば何もやることがないと、つまらない、つまらないと思っている人の多い昨今。でもそれは日本しか知らないあなたのとても狭い貧しい世界です。

仕事で海外に出た際にアジアの僻地に写真を撮りに出かけるといろいろな人に出会います。大体、とても貧乏です。日々の食べるものに困る人々です。当然、彼らは自分がそんなに幸せとも思っていません。しかしなんかうらやましくなることが多いんです。こちらが恥ずかしくなるほど、何事にも一途で純粋なその姿を見たら、高度の情報世界に犯されてじくじくに中途半端になった自分が見えてきます。何かを失いつつある日本人を意識させます。

「泣こうと思って見に行ったけど、あんな男のどこが良いのとおもって全然感動すらしませんでした。」というようなつまんない感想をたまに見かけます。ピントも感受性も大ずれですが、まあ、映画の見方は自由です。

最近はちょっとイメージの違うチャンちゃん(?)ですが、とても可愛く撮れています。イーモウ監督には珍しい絞りを開けた望遠系のレンズでの寄りの撮影がこの映画にはとても良く効いています。色彩豊かな背景の濃密さは是非DVDでの映像をお奨めします。

中国語ですが、DVDであれば字幕を英語にして中国語を音声にして無理矢理英語の学習に使うという荒技もあります。ちなみに最新作の「至福の時」、これもいいですね〜。また紹介します。
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12人の怒れる男 (1957/97)
12 Angry Men
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(表示DVDは1957年Versionです)






とても有名な映画です。1957年のものはヘンリー・フォンダ、1997年のリメイク版はジャック・レモンです。大体リメイク版には余りいいものがなかったりするのですが、これはリメイクもいけます。

場面は陪審員は評決をまとめる審理室(裁判の後に話し合って有罪か無罪か決めるところですね)。殆どシーンはここだけです。ところがどっこい、これは引きずり込まれる話です。1957年のものは白黒ですが今みても古さを全く感じさせない緊迫感のある展開です。

17歳のスラムの少年が父親殺しの容疑で裁判にかけられます。誰が観て有罪です。審理の必要があるのか、という雰囲気から舞台は始まります。

このコーナーに載せる前にもう一度観てみて思ったのですが(リメイク版)、映画の中での議論は、とくに前半部のどこに行くのか分からない部分は欧米人のディスカッションの形態を良く表していておもしろく思いました。会社で出席する会議類はまさにあんな感じで議論が進みます、というか堂々巡りします。それを辛抱強く繰り返してゆ〜っくりと結論に近づいていくのが、彼らのスタイルです。

そういう意味でビジネスで英語を使う人は是非一回観てみると良いです。英語も適度で字幕なしチャレンジにも向いています。中級の人は一度日本語字幕で内容を把握した後、英語字幕、そして字幕なしに進むというのに耐えるいい映画です。
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モリー先生との火曜日Tuesdays with Morrie (1999)






何回目か、この映画を見終わってどういうふうにこの欄を書き始めようかと悩みました。どう書いても、それは何か陳腐なものに終わるような気がします。

自分が生きているのは何のためだろう、何のために存在しているのだろう?
自分は一体どこへ行くのだろう、どこへ行こうとしているのだろう?
自分が老いて死んでいくときに一体何を考えるのだろう?
自分には何が欠けているのだろう?そして自分には何があるのだろう?
自分は今、何をすべきなんだろう?

この映画は、そんな難問を観る者に問いつめてきます。この映画を観てもその答えが出るわけではありません。ただ、そんなことを考えることすら希薄になりがちな現代社会に自分が今存在していて、何か見落としてはいないか?と思わせてくれます。でも同時に、なぜか元気の出る映画です。

知り合いにこの映画の話をした時のことです。「俺はああいうお涙ちょうだいの映画は観ないから、」とコメントが返ってきました。’コーチ’ならおそらく、「What're you afraid of? What scares you?」とでも言うのかな、と思いながら聞いていました。

映画の内容はペーパーバックの方で触れました。コーチことモリーを演じたジャック・レモンはこの撮影の2年後にがんで他界しています。すごくいい俳優さんだったのに。

英語学習にもとっても向いています。平易でありながらしっかりとした重みのある会話がとてもためになるでしょう。
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13デイズ(2000)
Thirteen Days
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JFKが大統領の時代の例のキューバ危機を緊迫した雰囲気で描きます。事態は偵察機U2がキューバ上空からの偵察撮影でキューバ国内にソビエトの核ミサイルが設置されようとしていることを撮影することから始まります。

JFKのSpecial Assistant for the President、Kenneth O'Donnellを演じるのがケビン・コスナー。JFK演じる人は知らない人ですが良い演技ではまっています(会社の欧米人数人にこの人を知っているかと聞きましたがみんな知らない、と言ってました)。

もちろん近い過去の歴史物としてみる人が多いと思いますが、私はNegotiationとはどういうものか、と言う意味でとても興味を持っていつも見ます。

Negotiationとは理論や証拠で相手をねじ伏せるだけではなく、それ以外の大きな要素がある。そんなことを思いました。そして国の動向を左右するような要人たちも結局は一人の人間なんだな、ということも感じさせます。静かですが、緊迫した良い映画です。

映画の最後に例のJFKの演説の一説が流れます。We all inhabit in this small planet. We all breathe the same air. We all cherish our all children's future. いろいろな映画で良く引用される言葉です。

ちなみに英語の学習という意味では私のOne of the bestです。特にビジネスシーンなどでの言い回しとかにとても参考になります。
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光の旅人 K-PAX(2001)
K-PAX
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SF映画で何回も見たいと思う映画は多くありません。いかにもというような宇宙人や未知の生物、それらとの派手なアクション、エンターテイメントには良くても何か心を動かすもの、知的好奇心をくすぐるもの、あるいはメッセージがないからだと思います。

この映画には、いかにもというような宇宙人もアクションシーンもありません。比較的淡々としたストーリー展開のようですが、心地よい緊迫感があります。小学生の頃、初めてSF小説を読んだときのようなドキドキ・ときめき感を大人の我々にも思い出させてくれる秀作です。

主演のケビン・スペイシーは見事にはまっています。この役は、トムでも、ハリソンでも、ニコラスでも、モーガンでも、他の誰でもぴったりイメージできません。彼ならでは持ち味が見事に発揮されました。

最後までプロート(ケビン・スペイシー)が本当にK-PAX星人だったのか、それとも、耐えられない過去のために精神が崩壊した一人の人間だったのか、視聴者に考えさせ続けます。うまく視聴者に考える余地を残した、そしてその残し方も絶妙な脚本です。そして、プロートが描写するK-PAXの環境・生活・文化を通じて、視聴者にも人間の愚かなところ、同時に素晴らしいところをうま〜く訴えていきます。

もう一つのお奨めは英語です。ケビンの話す英語は他の映画でもそうですが、滑舌もよく理路整然としており知性を感じさせます。彼のspeakingは一部の天文用語を除けばスラングも少なく、意外とよく分かるものです。しかしDVDで英文字幕を表示させてシャドウイングしてみると分かりますが、なかなかあのスピードであの滑舌を保つのは容易ではありません。
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